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先生はすぐに出た。
「さっき、谷やんから聞いたけど、お前何やってんの?」
谷やんとは、谷さんの事だって分かった。
先生の怒り度合いはMAXに近いんじゃないかって思うほど、声に迫力があった。
でも、冷静な私が居た。
私は悪くない!
そう思ったから。
「何を聞いたかしらないけど、私が本当の事を言ったら、谷さんと私のどっちを信じますか?」
「は!?
谷やんは俺らにとって、信用できる人だ。
だから・・・」
「あの」
先生の言葉で私は決心した。
だから、私は先生の言葉を遮った。
「明日の午後に荷物取りに行きます。
どうもすみませんでした」
たぶん、棒読みだったと思う。
「おい!!!」
もの凄い怒鳴り声がする。
でも、怖くなかった。
私の話も聞かないで責めてくる先生は、敵に感じた。
これが、谷さんやメンバーみんなの求めていた事なんだと思う。
「翔さん、明日頑張ってください」
私はそう言って電話の電源ごと切った。
初めて呼んだ先生以外の呼び方。
私の中で、先生という存在は居なくなった。
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