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すぐに準備をすると、優子さんの家から出た。
再び駅に向かって歩き出す。
「すぐ着くから。
体調は大丈夫?」
奈美さんが気にかけてくれる。
「大丈夫です」
少しダルいけど、気にならない程度。
お腹も空いているから、元気な証拠。
道路沿いの大きな一軒家の前に着いた。
「ここだよ」
奈美さんが言った。
奈美さん、優子さんに続いて入ろうとすると、手を掴まれた。
二人以外の人。
私は後ろを振り向いた。
声にならない驚き。
私は固まった。
先生が、いや、翔さんが私の手を掴んでいた。
しかも、怒り爆発モードだ。
このタイミングは良すぎる。
「どうしたの?」
奈美さんが出て来て、今の状況を察知したらしい。
「何してんの?」
翔さんの低い声。
奈美さんが固まった。
そして、翔さんの車から降りてくるもう一人の不機嫌な人を見て、諦めることを決意した。
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