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翔さんに高村先輩まで来たら、もう逃げられるわけがない。
この二人が不機嫌だと、勝ち目なんて1ミリも無いと思う。
鬼ごっこは終わり。
「お前、何考えてんの?」
翔さんが目の前に来て言った。
「言わない!」
私が言った。
二人が怒るのは分かっている。
だけど信じてもらえる気がしない。
翔さんが私を信じてくれないように、私も誰も信じない。
私も二人に牙をむく。
「帰って話し聞かせてもらおうか」
翔さんが言った。
「嫌だ!!」
「は!?
何だよ、その態度!!」
翔さんが睨みつけてくるが、私も負けじと睨みつける。
「はい、ちょっとタイム!」
私達の睨み合いに、高村先輩が口を割って入ってきた。
「邪魔すんな!」
翔さんが文句を言うが、先輩はお構いなしの様子。
「何があったか教えてよ。
あいつが原因?」
先輩が私に聞いてきた。
あいつ・・・谷さんの事。
先輩は谷さんが怪しかったのを知っているから、気になったんだ。
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