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翔さんと私の真ん中に立っている先輩。 私は先輩を見上げる。 「・・・俺の事、睨んでんじゃねえよ」 先輩はなぜか笑いをこぼした。 そして、私のおでこを叩いた。 ぺチン! 良い音がして、おでこに痛みを感じる。 どうせ、迫力が無いとか、変な顔とかって言いたいだろう。 そう考えていた。 しかし、先輩は、 「可愛い顔が台無しだろ」 と、優しく言ってきた。 予想外の台詞。 こんな状況なのに、先輩がからかっているかもしれないのに、胸がキュンとなった。 「あいつに何かされた?」 私は違うと首を振った。 「じゃあ、何か言われた?」 答えに困った。 少し悩んでいると、 「何か言われても、気にすんなって言ったよな」 そう、ため息をつきながら先輩が言った。 邪魔だから帰れ! そう言われたも同然だけど、それはあまり気にしてない。 だけど、 「言われた事よりも・・・あの人の目が怖い。 だから、私は帰らない」 先輩を見て、そう答えた。
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