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「なんのこと?」
翔さんが聞いてくる。
だけど、私は答えない。
翔さんは、谷さんの味方。
必然的に、私の敵になる。
「シカトかよ?」
「翔さんには、言いたくない」
先輩の後ろに居る翔さんに向けて言った。
「・・・なんでそんな呼び方してんの?
翔さんとも何かあった?」
先輩が心配そうに聞いてくる。
「翔さんは、私の敵だから」
「「は!?」」
翔さんと先輩の声がハモった。
「とにかく、私は帰らない!」
そう言い切ると、回れ右をして、奈美さんの家に入ろうとした。
しかし、再び手を掴まれる。
私は振り向こうともしない。
「敵ってなんだよ。
理解できないんだけど」
翔さんの声が、後ろから聞こえる。
「自分の胸に聞いてみたらどうですか?
明日に備えて、早く帰ったほうが良いんじゃないでしょうか?」
敬語で対応。
「・・・なあ、夢叶・・」
何かを言いたそうな翔さん。
「荷物、明日取りに行きます」
それをその言葉で遮った。
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