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「で、何があったの? 大丈夫なの? 何処にいるの? 高村先輩は? 一緒に居るの?」 和美の質問攻め。 答える隙がない。 「ちょっと、聞いてるの?」 「・・・うん」 私は何から答えればいいか分からず、それだけ答えた。 先輩が隣で笑っている。 電話から、和美の声が漏れているんだろう。 無事という事と、先輩と一緒だということは伝えた。 そして、ごめんねと謝った。 「ほんと、心配したんだから。 ゆめのバカ!!!」 和美の声が変わった。 鼻をすする音も聞こえる。 泣いているんだ。 「本当にごめんね・・・」 私はもう一度謝った。 「まだ帰って来ないの?」 和美が聞いてくる。 「・・・今日は帰らないよ」 「はぁ!?」 和美が再び大声をあげる。 だから、耳が痛いよ・・・。 すると、背後の戸から、もの凄い音が聞こえた。 ドガン!!! びっくりして、携帯を落としそうになった。 「・・・嫌な予感!」 私は、そう声に出した。 外には、翔さんと谷さんが居る。 もしかして・・・何かが起こっているのかも。 先輩も同じ事を思ったらしい。 「見て来るから、待ってて」 そう言って、外に出て行った。
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