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「私、先輩より強かったのか。
それって、凄いことだよ」
うん、凄い!
こんな私にも、出来ることがあった。
先生を大人しくさせる事。
先輩でも出来なかったことを、私がやったんだ。
それは凄いこと。
だけど・・・その理由を作ったのは、私のような気がする。
一気に罪悪感が押し寄せてきた。
「なに落ち込んでんの?」
先輩が笑っている。
「なんで笑った?」
「喜怒哀楽が激しいヤツだと思って」
「ふーん」
私の答えはあっさりしていた。
先輩ほど喜怒哀楽は激しくないと思う。
不機嫌になったり、いきなりスイッチが入ったり。
先輩の笑い所も分からない。
やっぱり、先輩がいまだにつかめない。
先輩自身もつかめていないんだから、分からなくて当たり前か。
それにしてもダルい。
先生を止めるために、熱くなりすぎたかな・・・
今日は早く寝たい。
でも、きっと旅館に帰っても、すぐには寝れない。
みんなの怒る顔が目に見えた。
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