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ヤスさんは、他のメンバーと三人で来た。 谷さんを見た、ヤスさんと広人さんは、 「うわぁ、酷いね・・・」 「翔に何したの?」 と、口々に言った。 私達のほうに一直線に歩いてきた圭太さん。 「怪我は?」 私達三人の顔を見ながら言った。 「大した事ないっす」 と、先輩が答える。 「そっか。 でも、よく止められたな、お前」 圭太さんが先輩を見て、感心している。 「いえ、俺は負けたんで。 礼なら、こいつに言ってください」 先輩の手が、私の頭の上に置かれた。 圭太さんは、無言で私を見る。 「・・・とりあえず、ここに居ると目立つと思います」 私は移動を頼んだ。 助けてくれた奈美さん達に、お礼を言おうと振り向くと、大興奮の二人が居た。 よし、恩返しをしよう! 私は、圭太さんにお願いをしてみる。 「お説教、真面目に聞くので、そこのお姉さん二人も一緒に行かせてください。 私のせいで、優待チケット買えなかったんです」 しかし、圭太さんはふざけんな!と、一言で終わらせてしまった。 「じゃあ、気が変わったので、私はここでお別れします。 慰謝料の請求書は、先輩か和美に渡してください! 先輩、後はよろしくお願いします」 深々と先輩に頭を下げた。
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