20/28
前へ
/988ページ
次へ
「何ですか?」 私の眉間にしわが寄る。 「この状態で俺らにどうしろって言うんだよ」 圭太さんの指差す方には先生。 「知らないし! 自分達で何とかしてください」 「できたら苦労しないんだよ」 「なんと言われようが、私は戻りません」 「そこを何とか・・・」 ヤスさんにも言われる。 「じゃあ、戻ります。 だけど・・・どうなろうと、私は何もする気はないです」 「それじゃ意味無いだろ」 圭太さんが言った。 私は再び笑顔で返事をする。 「圭太さん」 先輩が指を向けた先には、奈美さん達。 「・・・あの二人が一緒に行くなら、どうする?」 圭太さんが聞いてきた。 「喜んで帰る」 私はそう言った。 圭太さんはため息をついてから、 「分かった」 そう一言だけ言った。 これで奈美さん達に、今日チケットを渡せる。
/988ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1095人が本棚に入れています
本棚に追加