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奈美さんと優子さんに部屋を教えると、温泉に入ってきてもらうことにした。
きっと、長い長い話し合いという、お説教が待っているはずだから。
部屋に入ると、不穏で緊迫した空気が流れていた。
全員勢ぞろいで正座している。
例えていうなら、お葬式みたいな雰囲気。
私の一番苦手な空気。
私は和美の隣に座る。
「お帰り」
「ただいま」
和美と笑顔で一言だけの会話。
全員が座ると、副社長が声を荒げて話し始めた。
くどくどと長い。
やっぱりお葬式だ。
お経にしか聞こえないもん。
みんな、副社長の話を静かに聞いている。
っていうか、喉乾いてるんだけどな・・・
私の頭に、副社長の有難い話は入ってこない。
あーぁ、眠い!!!
そこから少し我慢したけど、我慢の限界が来た。
私は立ち上がると、グラスとお茶を持ち、さっきの場所に戻る。
そして、半分まで注いだお茶を一気に飲み干した。
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