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奈美さんと優子さんが来ると、和美に紹介する。 なんの問題も無く、打ち解けていて安心した。 谷さんの手当てが済むと、二階の宴会場に向かう。 お膳が四角く並んでいた。 「二人の分も用意してもらってあるから」 圭太さんが私に言った。 「すいません」 なんか悪い事をした気がして謝った。 「説教が短くて済んだお礼ってことで許す」 圭太さんが笑顔で言った。 13個分のお膳。 何処に座るか迷っていると、 「ごめん」 と、後ろから声がした。 後ろにはもう誰も居なかったけど、あの声は谷さんだと気付いた。 「あんたはこっち」 先輩が私の手を引っ張って、空いている所に座らせた。 「先輩の隣なの?」 「嫌だって言いたいの?」 先輩が睨んでくる。 「いやあ、凄い嬉しいですよ、あはははは」 「超棒読みだけど」 と、先輩にデコピンされる。 「暴力反対!」 私はおでこを押さえて言った。 「聞こえない」 「バーカ」 「あんたに言われたくない!」 二人のやり取りを、和美が笑って見ている。 「そこ、笑うな」 私が言うと、 「八つ当たり禁止ね」 と、和美が返してきた。
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