事実

2/20
前へ
/988ページ
次へ
先輩と逆隣が空いている。 そこにくりちゃんが座る。 「そこに座ると、ヤバイと思うけど」 先輩がくりちゃんに言った。 「今日くらいいいじゃん」 「いや・・・どうなっても知らないぞ」 先生がまだ来ていない。 空いているのは、圭太さんの隣の席だけだった。 少し遅れて入って来た先生は、そこに向かって歩いていく。 そのまま座ると思っていると、先生はお膳を持って、一番窓際の離れた所に置いた。 ポツンと置かれたお膳。 次に、くりちゃんを引き摺っていき、そこに座らせた。 そのまま先生は私の隣に座った。 「始めていいよ」 先生が何も無かったかのように言った。 「ちょっと、これ酷くないですか?」 くりちゃんが言った。 「だから言ったのに」 と、先輩が笑っている。 先生は全く見向きもしないで、タバコに火を点けている。 「じゃあ始めようか」 副社長の声に、急いで近づいてくるくりちゃん。 皆が笑った。
/988ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1095人が本棚に入れています
本棚に追加