事実

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「くりちゃん、遊ぼ!! じゃんけんしよ!!」 「嫌に決まってるじゃん」 「ね、じゃんけんしよ。 負けたら罰ゲームね」 「ぜーーったいに嫌だ!!」 くりちゃんが言う。 そう、くりちゃんは、じゃんけんが弱い。 弱いってものじゃないくらい、弱い。 「やろうよ」 「嫌だったら嫌だ!!」 「ふーん、そう。 もういいよ、ケチ!」 私は和美の前に座った。 「ねーねー」 「嫌だ!!」 「まだ何も言ってないじゃん」 「あの二人に何か、とんでもない事言ってたでしょ? 今4人でガールズトークしてるんだから、邪魔しないで」 「赤塚先輩は、まだ女の子じゃないくせに」 「まだって言うな! 俺は一生男だ」 先輩が言った。 「それは残念だ」 「何が残念なの?」 「・・・それは内緒」 赤塚先輩と話が出来るのが、すごく嬉しかった。
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