あなたとなら

事実

８時になり、昨日の宴会場で朝食になる。

空席が３つ。

和美と赤塚先輩とくりちゃん。

高村先輩は、かなり眠そうにしながらも、私の隣に座っている。

副社長さんの手短な話しが終わると、朝食を食べ始める。

「あー、やべえ・・・緊張してきた」

先生が途中で箸を止めた。

「緊張するの？」

「俺、何回やっても駄目なんだよな、ライブ前って」

と、先生が言う。

私には分からないけど、やっぱりライブというものは緊張するんだね。

こっちまでドキドキが移りそうなくらい、先生がソワソワしている。

「あー、落ち着け、俺！」

自分に言い聞かせる先生。

こういう時は、どうしてあげれば良いのだろう。

何も考えつかない。

何も出来ない。

そんな自分に小さなため息が出た。

食事を済ませ、各々が準備を始める。

「高村と夢叶は、俺らと一緒に付いて来て」

先生が言った。

裏側を見て、レポートの材料を集めないといけないから。

３人が来るまで、２人で担当することになった。