事実

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開演が近づくにつれ、一気に緊張感が高まってくる。 仕度が終わり、時間がくるのを待っている。 「夢叶、ちょっと来て」 ストレッチをしている先生に近づく。 すると、私の前に立ち、いきなり抱きつかれた。 「ちょっと、何?」 皆が居るから、凄く恥ずかしい!! 抵抗するが、先生はビクともしない。 「んーー、心臓が口から出そう・・・ 夢叶補給さして」 先生が私の頭に顔をつけて、そう言った。 先生の胸に顔が当たっているから、心拍数が早いのが分かった。 すごい速さで心臓が動いている。 私も、違う意味で心拍数が早くなる。 「あー、ヤバイ」 先生がつぶやく。 時間を知らせるスタッフの声で、やっと離れる先生。 「よし、ストレス発散してくるか!! 夢叶、俺のカッコいいとこ見ててね」 先生はそう言うと、楽屋から出て行った。 私も赤くなった頬を押さえながら、楽屋から出る。 ステージの裏に、皆が集められる。 全員集合すると、圭太さんが気合の言葉をかける。 それに、みんなが大きな声で返事する。 そして、 「行くぞー!!!」 という掛け声に、全員が 「おー!!!」 と言って、ステージの脇に付いたメンバーさん達。 これからライブが始まる!
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