契約

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再び会場が揺れる。 先生やヤスさん、圭太さんが、ステージの前の方まで行ったり、端っこまで行ったり。 そのたびに、歓声があがる。 ステージの上でも笑顔が溢れている。 会場全体が楽しそう。 そして何より、会場全体が、歌に合わせて手を上げたり、飛んだり、同じ動作をしているのにびっくりした。 一体感というやつですかね。 「放心してない? 大丈夫?」 和美が耳元で大きな声で聞いてくる。 「凄いね」 「私も生は初めてだから、ヤバイくらい興奮してるんだけど」 「レポート書けない」 「私と裕太に任せて」 私は和美にノートを渡した。 それを、赤塚先輩に渡す和美。 「翔さん、超カッコいいでしょ」 再び和美が言った。 私は頷く。 汗が、先生の色気を、一段とアップさせている気がする。 かっこよすぎて、メマイをおこしそう。 私の大好きな笑顔がいっぱい見れている。 先生がこっちの方を見ると、胸が苦しくなってくる。 私はやっぱり、先生の笑顔に弱いんだ。
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