契約

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「それでね、次は新曲を歌いたいんだけど・・・誰かが主役をする、ドラマの主題歌なんだよね」 会場から、くりちゃんを呼ぶ声がする。 「ごめん、今日来てないんだ」 先生が笑いながら言う。 会場はブーイングがおきている。 先輩が居る逆のステージ横を見て、爆笑の先生と圭太さん。 「出たい?」 先生がくりちゃんに聞く。 「なんか、出て来たいらしいから、呼んでいい?」 会場のみんなは喜ぶ。 先生が笑いながら手招きすると、くりちゃんが出て来る。 先生にからかわれていた、くりちゃん。 笑顔が引きつっていて笑えた。 「栗原誠。 今回のライブの手伝いしてくれている高校生組の、一番下っぱです」 「その紹介、嬉しくないです」 くりちゃんが落ち込むと、メンバーの全員が笑った。 先生がくりちゃんの髪の毛をグシャグシャと撫でる。 「みんなのいじられキャラだけど、カワイイ奴だから、みんなドラマ見てあげてね」 乱れた髪を見て、もっと笑う先生とヤスさん。 ドラマの見所を宣伝するくりちゃんは、すごく可愛く見えた。
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