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先生達は、曲が終わると、お礼を言いながらステージから居なくなった。
終わったんだ。
まだ、体に振動がきているような、おかしな錯覚におちいっていた。
まだまだ聞いていたかった。
客席を見ると、誰一人帰る気配が無い。
「ね、終わったんだよね?」
私は和美に聞いてみる。
「いや、まだまだ!」
「アンコールあるでしょ」
和美と赤塚先輩に教えてもらう。
「へー、そういうのがあるのか」
また一つ学んだ。
そのうち客席から、アンコールの声が聞こえてくる。
その声は、どんどん大きくなっていく。
そして、再び先生達が現れた。
もの凄い歓声に包まれる。
「まだまだ、暴れたりないんだ?」
先生が客席に聞く。
みんなは歓声で返す。
「でも、その前に」
そう言って、再びステージから居なくなる先生。
先輩の手を掴んで、二人で戻って来た。
カッコいいとか、歓声が聞こえる。
「こいつは、今日はカメラマンだから、今のこの状況を、ここから撮影してもらいます」
先生が言った。
ステージから、全員を撮るつもりなんだと分かった。
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