契約

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「先生は、卑怯じゃないよ。 カッコいいのも、優しいのも、全部知ってるから。 でも・・・ちょっと遠い存在に感じたのは事実かな」 次は私の番。 「今、私の中は先生だけだけど、先輩と居て、安心できるのも本当の事。 この関係が崩れるのは嫌だと思ってる。 きっと、卑怯なのは、私の方だと思う」 先生を好きで、でも先輩とも一緒に居たい。 私って、本当に欲張りだと思う。 「契約、あいつらもしたって聞いたから、また夏休みに会えるかな」 「うん」 先生が話しを変える。 「すぐに会えるわけだし、俺も仕事頑張る。 だから、お前も頑張れよな」 「うん!」 先生と目が合った。 だから、笑顔でそう答えた。 契約。 これがあれば、先生と一緒に居れる時間が増えるんだ。 クビにならないように、与えられた仕事はちゃんとこなす決意をした。
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