不意打ち

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「和美?」 和美にも私の声は聞こえていないみたい。 やっぱり、みんなに私の声は聞こえていないんだ。 赤塚先輩の顔を覗きこんだ。 だけど、視線が合う事は無かった。 姿も見えないんだ・・・。 私、死んじゃったのかな? 辺りを見渡すと、気付いた。 みんな喪服を着ている。 お葬式・・・? 誰の? 大きな祭壇を見て、息を飲んだ。 私の遺影が飾られている。 「・・・う・・そ・・・」 私はまた、先生に近付く。 「せんせ・・・」 そこまで言うと、先生が話し始めた。 「あー、でもこれで迷惑かけられなくて済むな」 「ほんと、問題ばっかり起こされてたし」 先輩も言った。 「友達っていうの、強制されてたし、ラクになった」 和美まで・・・ 「やっと解放されたって感じだな」 笑顔の赤塚先輩。 みんな泣くどころか、喜んでる4人。 そっか・・・私、みんなに嫌われてたんだ。 目から涙がこぼれた。 みんな嬉しそうで、ケラケラ笑っている。 耳を塞いでも、みんなの笑い声が聞こえる。 それがだんだん大きくなっていく。 やめて、やめてーーー!!!
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