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「・・・キス?」
先生の眉毛が、一瞬ピクッと動いた。
そして、先生の視線が私を捕らえた。
何か言われると思っていたのに、先生の視線がすぐに外れた。
「赤塚、二人を部屋に連れて来い。
そこで話しを聞く」
そう言うと、私の手を引いて部屋まで帰る。
先生怒ってないよね?
さっき、何も言わなかったし。
そう思っていると、
「キスしたの?」
部屋に入るなり、先生に質問される。
「あ・・・うん、いきなり、気付いたらされてた・・・」
私の視線は床を見ている。
先生の手がそんな私の顎に触れる。
そして、そのまま私の顔を上に上げた。
先生と目が合った。
視線を外したくても、先生の手が私の顎を押さえているから、それが出来ない。
「目を閉じろ」
先生の命令。
何をされるのか、すごく不安になりながら、ギュッと固く目を閉じた。
叩かれたり・・・しないよね?
恐る恐る待っていると、唇に温かくて、やわらかい感触が触れた。
気配で分かる。
先生の唇が触れているって。
チュッと音をたてて、先生の唇が離れた。
ゆっくり目を開けて、先生を上目で見てみる。
どんな表情をしているか、不安だった。
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