不意打ち

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「翔さん、腹減った!!」 一人空気の読めない男。 赤塚先輩が言った。 「和美、起きてないよ?」 どこかに食べに行くにしても、和美がまだ寝ている。 「寝たばっかりだから、当分起きないだろ」 先生が言った。 私を心配してくれて、ずっと起きていてくれたって。 先生達も、ほとんど寝てないって教えてくれた。 「私、おつかいでも何でもするから、許してください。 ごめんなさい!」 みんなに謝った。 「却下!!」 先輩が言った。 却下? 「一人で外出すんのは禁止。 それと、悪いのはあんたじゃないから、謝るのもなしだ」 先輩が言う。 「でも、せっかくの打ち上げを台無しにしたし・・・。 谷さんが、あんな風になったのも、私のせいでしょ?」 「順一のせいだろ。 それと、順一の嘘を信じてた奴らも悪い」 「嘘?」 「あいつはあの頃から、おかしかったみたいで、ありもしない嘘をばらまいてたみたい。 夢叶は、全てにおいて被害者なわけ」 先生が言った。 嘘をばらまいてた? だから、他の人は私を憎んでいたのか・・・。 有り得ない。 私は頭を掻きむしった。
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