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「頭ボンバーだよ」
赤塚先輩が言った。
そんなの分かってるし。
だけど、腹が立つ。
あんな事して、私の人生を壊したあげく、変な嘘をばら撒いたなんて。
最低な男だよ。
怒りがフツフツと沸いてくる。
「谷やんの誤解、解いておいたから、もう何もしないはずだから」
「誤解、どうやって解いたの?」
もしかして、あの事をばらしたって事?
私は、先生をキツイ目で見た。
「・・・仕方ないだろ」
やっぱり言ったんだ。
「誰が知ってるの?」
谷さんだけに言ったわけじゃないと、私の中で感じた。
「他の誰に言ったの?」
先生は答えない。
先生と和美にしか知られてない秘密が、他の人にばれたなんて・・・。
私のプライバシーって、どこに行ったのだろう。
なにもかもに腹が立つ。
「夢叶」
先生が私を呼ぶけど、今は誰とも話しをする気分じゃない。
腹立たしさと、ショックが大きい。
私は無言で、和美の寝ている部屋に入った。
誰が知っているの?
どこまで知っているの?
私の事を、どんな目で見ているのか、どう思っているのか、知るのが怖い。
布団を頭まで被って目を閉じた。
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