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先生や先輩が来ても、私は顔を出さなかった。
「ご飯もいらない。
だから放っておいて」
それだけを告げる。
誤解を解けたのは、嬉しいことだけど、誰にも知られたくなかったんだよ。
先生だって、悪気があって言ったわけじゃないのは、分かってる。
だけど・・・。
私は和美の手を握った。
言葉に表せないおかしな感情に潰されそうで、和美の温もりがどうしても必要だった。
両手で和美の手を握りながら、無理矢理だけど、眠りについた。
「ゆめ、ゆめ」
すぐに和美に起こされる。
「ゆめ、起きた?」
私の手は、和美に握られたままで、隣の布団から呼びかけられた。
「起きた・・・」
「もう、平気?」
「ある意味、平気じゃないかも」
「・・・どういう事?」
和美が心配そうに聞いてくる。
「頭がガンガンする」
これは本当の事。
寝すぎたのが原因かも。
「昨日、部屋に戻ったら大変なことになってて、本当に心配したんだよ」
「うん、ごめんね」
和美が涙目だ。
私もつられて涙目になった。
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