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前に先生と癒された、庭にある池の前に来た。
そして、石の上に座った。
今日は蒸し暑くて、空気がジメジメしている。
空には嫌な色の雲がかかっていて、雨が降りそうな感じがした。
誰かと一緒に居る時間が長すぎて、一人の時間があんまり無かった。
しかも、この数日で、いろんな事がありすぎて、ついていけてない。
頭の中がショート寸前なのかもしれない。
体育座りして、膝を抱える。
そして、目を閉じて、おでこを膝に付けた。
自分一人の時間。
ここなら、誰にも邪魔されないはずなんだ。
少し強い風が吹きぬけた。
嫌な空気。
もう少しだけ、雨が降らないといいな・・・。
もう少しだけ、ここに居たいんだ。
私は何も考えないように、心を無にして周りの音だけを聞いていた。
風鈴の音。
風が草木を揺らす音。
池の鯉が跳ねる音。
そして、誰かの足音・・・。
もう見つかったの?
早すぎる。
まだここに居たいのに・・・。
足音は近くで止まった。
だけど、話しかけてこない。
風が吹いて、その人の存在が誰だか分かる。
香水の香りがほのかにした。
ただ分かるのは、先生がすぐ近くに居る事だけだ。
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