携帯

13/24
前へ
/988ページ
次へ
「行かないでいいの?」 圭太さんが聞いてくる。 「・・・着替えたいので、出てってもらっていいですか?」 私は答えずに、そう言った。 圭太さんは静かに出て行った。 着替えがもう無い。 学校にも行かないといけないし、明日にはここを出よう。 そう勝手に決めた。 先生には仕事があるし、私達にはテストが待っている。 そして、バイト先にも電話をしないといけない。 ため息を一つ吐いて、着替えた。 そして、布団の上にうつ伏せで寝転がった。 頭が痛いんだよ。 このまま寝たい。 だけど、やっぱり駄目だよね。 先生の所に行ったほうが、いいのかな? でもなー。 私は頭を掻きむしった。 「おい」 襖が開いて、先輩の声がする。 私は起き上がって、先輩を見た。 先輩は、襖の向こうに居て、赤塚先輩と和美もこっちを見ている。 私は再び、布団にうつ伏せで寝転んだ。 現実逃避がしたい。 私は目を閉じた。
/988ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1095人が本棚に入れています
本棚に追加