携帯

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「明日帰るので一緒に行きます。 それで満足してもらえますか?」 私はそう言って、炭酸を飲む。 社長さんが頷いた。 「なら、もう戻ります」 「あ、これ」 副社長さんが携帯の紙袋を出した。 受取ると、中に白い封筒も入っていた。 「あ、やっぱり、封筒の中身を逆にしてもらえませんか? 私には大金すぎます」 交換してもらい、立ち上がった。 「立花さん、許してもらえますか?」 社長が聞いてきた。 だから、私はこう答えた。 「謝ってもらったんで、社長さんと副社長さんの事は許します」 と。 谷さんからは、謝罪の言葉は聞いていない。 私は炭酸を握り締め、立ち上がった。 谷さんは悪くない気がする。 弟を信じてただけだから。 でも、謝罪の言葉くらいあってもいいんじゃないかと思った。 だから意地悪を言ったんだ。 「す、すみませんでした!!」 大声の谷さんの声。 やっと謝ってもらった。 私は振り返るり、頭を深く下げる谷さんを見る。 「もう気にしてないから」 そう言って、宴会場を後にした。
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