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「話して」
先生が口を開いた。
「少しと全部、どっちがいいですか?」
「全部だ全部!」
先生が言った。
ですよね~。
先生は、私が話すのを静かに聞いていた。
「で、これ渡しておく」
話の終わりに、封筒を先生に渡した。
「・・・なんで?」
「別にお金が欲しいわけじゃないし。
向こう帰ったら、社長さんに返しといて。
あ、先生が使ってもいいよ」
そう言った。
「自分で返せよ」
先生は社長さんが苦手みたい。
「大金は怖い」
「俺も一緒なの!」
先生は封筒を私に返してくる。
「どうするの・・・これ」
「俺に聞くなよ」
「だって、小切手だって一千万だよ?
私、高校生なんですけど」
「一千万!?」
先生が大きな声を出す。
茶色い封筒を見つめる二人。
「先生、いくら欲しい?」
よし、恩返しと名のついた、みんなに配ろう大作戦を決行する事にした。
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