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炭酸とカフェオレを買って、和美と椅子に座る。 「ゆめ、炭酸飲むの初めて見るかも」 和美が言った。 「胃がシュワシュワするから、あんまり飲まないんだけど、イライラすると飲みたくなる」 「イライラしてんだ」 「だって、あの二人の言い方、酷いでしょう!」 和美が笑った。 「翔さんの、ボケっぷりは笑えたよ」 「心で思ってても、口に出さなくてもさ・・・」 和美が大笑いしている。 「私、明日帰るから」 私が言うと、和美の笑いが止まった。 「急になんで?」 「用事ができた」 「そっか・・・。 だったら、私も帰る!!」 「でも、帰り遅くなるかもよ? 赤塚先輩達と帰ってくればいいよ」 「一人で帰るの?」 「社長さん、と?」 「社長さん?」 「そう、来てるんだよ。 副社長さんも谷さんも」 「そうなの!?」 かなりの驚きよう。 「ある意味、ここ貸し切り状態だよね」 私は笑った。 だって、他の一般人を見てないもん。 「そうだね・・・」 和美も頷いた。 窓の外をふと見た。 雨脚が激しくなっている。 雨は好きじゃないのに・・・。
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