携帯

23/24
前へ
/988ページ
次へ
「ゆめ、ほんとに一緒に住んでもいいの?」 和美が急に、心配そうに聞いてくる。 「超狭いし、家電製品も無いし・・・」 そこまで言って、止まった。 「・・・ゆめ?」 「和美!!! いい事考えちゃった!!! 部屋戻ろう!!!」 「えっ!?」 私は急いで部屋に戻った。 「翔也先生! いい事思い付いた!!」 勢い良く戸を開けて言った。 びっくりしている3人と、後ろに居る和美。 「何だよ、いきなり」 そういう先生の隣に座る。 「もう少し大きな部屋を借りて、家電を買う!! 和美と一緒に住むための部屋」 そう、お金の使い道を思いついたんだ。 「いいんじゃないの? でも、家の保証人は?」 「うーん・・・おじいちゃんに明日頼んでみ・・・る・・・」 勢いを無くした。 そんな話しをする気力はあるのか? 私の過去を暴露しなきゃいけないのに・・・。 「やっぱりムリだ」 おじいちゃんには頼めないと思う。 あぁ、明日が憂鬱だ。 「もうヤダ!! 胃が痛くなってきた」 「喜怒哀楽の激しいヤツだな」 先生も私と同じ事を思ったらしく、呆れて言った。 私は炭酸を飲む。 「もう、寝ていい?」 「駄目だろ! 今日、何も食ってないだろ。 もうすぐ飯だから駄目だ!!」 先生に言われる。 食欲なんて無いけどね・・・。
/988ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1095人が本棚に入れています
本棚に追加