社長

2/22
前へ
/988ページ
次へ
「社長?」 赤塚先輩が聞いた。 「俺の天敵」 先生が逆らえない人だもんね。 私は社長さんの本当の顔を知らないから、別に怖くない。 「そんなに嫌なの?」 私は笑いながら聞いてみた。 「笑い事じゃないの!!」 だって、先生が駄々っ子に見えるんだもん。 「社長さん、どんな人だった?」 不安になったのか、和美が私に聞いてきた。 「優しそうなお爺さんだったよ」 私は和美に大丈夫!と、笑顔で言った。 嫌がる先生を連れて、二階の宴会場に行く。 もうみんな揃っていて、 「遅い!!」 と、副社長さんに怒られた。 先生が大人しい。 また、先生と先輩に挟まれる形で席についた。 社長さんの一声で、夕食が始まった。 今日は、大きな貝がある。 「動いてる・・・」 それは生だった。 下に火が付けるロウソクみたいな物があり、そこに乗っていた。 先生はそれに火を点けてくれる。 ウゴウゴと動く貝。 「熱そう・・・でも、気持ち悪っっ!!」 先生と先輩が笑う。 「あわび、知ってる?」 先輩が聞いてくる。 「聞いたことあるけど、これ?」 そんな高級な物だったんだ。 この気持ち悪い物体がね・・・ 「でも、気持ち悪いものは気持ち悪い! 動くな!!」 あわびに怒ってみる。 先生と先輩のツボに入ったらしく、爆笑の二人。 出来た物を持ってきてほしかったです・・・。
/988ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1095人が本棚に入れています
本棚に追加