社長

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新しいグラスと箸が用意され、小皿まで渡される。 「あの・・・」 自分の席に戻りたい。 だけど、両隣の二人には伝えられない。 誰か・・・助けに来てーーー! 「そうだ、新しい家の話しだったな」 社長さんが言い出した。 「あ、はい」 私は、小皿に乗せられたあわびを口に運んだ。 「うわ、美味しぃ」 美味しさに感動する。 また笑う副社長さん。 「大袈裟」 だと。 美味しいのは本当の事だけど、きっとこの人達は、もっと美味しいものを食べてきてるんだろう。 「どんな家がいい?」 社長さんが聞いてくる。 「へ?」 なぜ、そんな事を聞くのだろう。 不思議に思いながら、考えてみる。 「テレビが置けて、ベッドが2個置けるくらいの部屋ですかね」 「家、そんな狭いのか?」 副社長さんが驚いている。 「悪いですか?」 なんか、カチンときた。 狭くて悪かったね! 私はお茶を一気飲みした。
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