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「高木君、まだ続く?」
私は机に肘を付きながら聞いた。
「高本なんだけど」
「あ、そう。
すいませんでした」
苗字、間違ってたらしい。
木と本って、似てるでしょ?
でも、なんとなく合ってたわけだし、合格だよね。
自分で勝手に決め付けていた。
「立花さん、高村先輩と付き合ってるの?」
おいおい、あんたは女か?
何その質問!?
「付き合ってないですけど」
「じゃあ、俺が立候補したいんだけどいい?」
「却下!!」
あ。
先輩の口癖が・・・移った?
「即答すぎない?」
「すぎない」
私の視線は、高本君とはかみ合わない。
なぜなら、私の視線は黒板だから。
「じゃあ、友達は?」
「・・・今は間に合ってる」
「そっか・・・」
残念そうな声が聞こえる。
男友達はいらない。
高本君、ごめんね。
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