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「なっー」
「もう、いつも、起きてくれないから、こうして、いつも、起こしに来てるのに、少しは、妹を頼らないで、自分で起きてください。」
「すみません、次からは、自分で起きます。」
と、真面目に答えたつもりが、妹は
「いや…その…やっぱり、自分で起きないでください。」
と、なんか、顔が赤くなりながら、そう言ってきた。
「晴菜、さっきは、起きろっていったくせに、起きないでくださいって、なんか、言葉が、矛盾してるぞ。」
全く、自分で、起きろといったから、起きると言ったのに、次は、起きないでくださいと言ってくるとは、いったいどっちをしたらいいのか。
「い、いいですから、起きないでください。私が、いつも、起こしに来ます。」
と、顔を赤くしたまま、そっぽを向いて、俺の部屋から出ていった。
「?」
もう、本当に、わけがわからない、まあ、多分、ほどほどに、起きろと言うことなのだろう。と、そう思い込み、俺も、服を着替えてから、部屋を出ていった。
久川家は、一軒家で、もはや、屋敷じゃないのか、というほど、大きな家である。家には、俺と晴菜と、この家の持ち主である、久川来美(ひさかわくるみ)さん、来美さんは、俺と晴菜のお母さんみたいな人で、優しくて、穏和な人で、人柄が、よく地域のおばさま達と話してたりするのをよく見かける。
部屋から出ていって、リビングに入ると見知った風景が、流れていた。
テーブルには、晴菜と来美さん、寅吉(とらきち)が、朝食を食べていた。
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