1章:ナンセンスヒーローの諦め方

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1章:ナンセンスヒーローの諦め方

箸の持ち方が悪いと注意された。 正しい箸の持ち方なんて知らないけれど、そいつの箸の持ち方はいつもきれいだった。 鉛筆を持つのと同じようにぶっきらぼうに掴んだその手を小さく緩め、そいつの真似をして正しいつもりでいた。 きっとあの頃からなにひとつ変わっちゃいなかったんだ。
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