‡第三章‡

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「不意打ちはせこい。つか、狡い。」 立ち上がりながら山崎を睨めば、山崎の奥にいた島田から拍手が上がった。 「山崎さんにも劣らない身軽さだね、千里くん。凄いよ。っと、俺は島田魁。同じく観察方だ。」 島田は体に似合わず優しげに笑う。 外見だけだったら、族の組長とかしてそうなのにな… 人を見掛けで判断するな、っていうヤツだな…正しく… 「すまんな、躾がなってなくて…島田さんもバシバシやったってな!」 山崎の言葉に苦笑する島田を見ながら山崎に続いて部屋から出た。 屯所内を一周したのか、山崎の部屋に戻ってきていた。 部屋に入ると、山崎は何やら眉間に皺を寄せている。 「…あの… 「千里。お前が、未来から来たっちゆー話は内緒にしときぃ…あと…」 ―むにゅっ 「っ!!?」 山崎が、千里の両頬を摘まみ、左右に引っ張る。 「ひゃ…ひゃははひはふ…」 「少しはその無表情、どうにかしぃ。」 …痛い… 「無表情にも程がある。」 ―ぐにっ 山崎の指に更に力が加わる。 .
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