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「不意打ちはせこい。つか、狡い。」
立ち上がりながら山崎を睨めば、山崎の奥にいた島田から拍手が上がった。
「山崎さんにも劣らない身軽さだね、千里くん。凄いよ。っと、俺は島田魁。同じく観察方だ。」
島田は体に似合わず優しげに笑う。
外見だけだったら、族の組長とかしてそうなのにな…
人を見掛けで判断するな、っていうヤツだな…正しく…
「すまんな、躾がなってなくて…島田さんもバシバシやったってな!」
山崎の言葉に苦笑する島田を見ながら山崎に続いて部屋から出た。
屯所内を一周したのか、山崎の部屋に戻ってきていた。
部屋に入ると、山崎は何やら眉間に皺を寄せている。
「…あの…
「千里。お前が、未来から来たっちゆー話は内緒にしときぃ…あと…」
―むにゅっ
「っ!!?」
山崎が、千里の両頬を摘まみ、左右に引っ張る。
「ひゃ…ひゃははひはふ…」
「少しはその無表情、どうにかしぃ。」
…痛い…
「無表情にも程がある。」
―ぐにっ
山崎の指に更に力が加わる。
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