夢の崩壊

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そして今日、亮助が引っ越しする日。 今私と亮助はあの約束を交わした公園にいる。 「ねぇ、亮助?」 「ん…?」 亮助の短かった髪はすっかり伸びて前髪が目にかかって本当に暗いイメージが付くような顔付きになった。 これにメガネを掛けたら絶対女の子にはモテなくなるだろう。 「寂しくないの?」 「なにが…?」 「私とかと離ればなれになるの…」 「別に…」 「ホントに?」 「あぁ…」 もう戻ってこないのかもしれない。 優しかった亮助も。 辛い… 前の亮助に戻ってほしい。 「もうすぐ出発だから帰るわ…」 「わ、私も行く!!」 亮助の家に着くまで無言が続いた。 家の前にはもう引っ越しのトラックも来ていてもういつでも出発できるようだった。 「亮助!!もう行くぞ!!ちゃんと結衣ちゃんに挨拶しとけよ」 亮助パパが言った。 「結衣…」 「亮助!!」 私は思わず亮助の胸に飛び込んでいた。 「おい…結衣」 多分亮助は戸惑っているだろう。 けど今はこうしていたい。 「離れたくないよ…」 泣かないって決めてたのに… やっぱり泣いちゃうよ…
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