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「変わってねぇな。そうゆうとこ」
亮助はあの時みたいに優しく包み込むようにそっと抱き寄せてくれた。
「亮助?」
「お前いつも俺の隣に居てくれたもんな。バスケを最後まで頑張れなかった俺の隣によ…」
「もういいよ…亮助…亮助はもう充分頑張ってくれたよ…」
ダメだ。
涙が…
「ありがとう…ヒクッ…亮…ウッ…助」
「何言ってんだよ…ありがとうって言いたいのは俺の方なんだからよ…だから…そんな悲しい顔しないでくれ」
「ふっ、ふえぇぇぇぇん!!」
泣いた…
ひたすら泣いた…
もう亮助に会えなくなる…
そう思うと涙が止まらない。
「ありがとな…結衣」
そう言うと亮助はトラックに乗り込んだ。
「あっ、亮助…これ!!」
私は亮助にあるものを渡した。
「なんだこれ?手紙と……メガネ?」
「うん…頑張ってね?」
そして私は亮助のほっぺにキスをした。
「じゃあ行くぞ~」
トラックが出発した。
亮助は窓から顔出して手を振ってくれた。
私は見えなくなってもずっと手を振り続けた。
そして少し経ってから私はその場に泣き崩れた。
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