192人が本棚に入れています
本棚に追加
パチンッ!!!
気が付いたら私は相手にビンタをしてた。
「ってぇ…なにすんだよ!!このアマァ!!」
相手は拳を握りしめて私に殴りかかろうとした。
私は覚悟を決めて目をつぶった。
だけどいつまで経ってもパンチがこない。
不思議に思った私はゆっくり目を開けると亮助が起き上がり拳を止めていてくれた。
「亮…助…」
「女に手ぇ出そうとしてんじゃねぇよ」
フラフラになりながらもしっかりと拳を止めている亮助を見て私は泣きそうになった。
「なんだ。生きてたのかよ」
相手が笑いながら言う。
「おかげさまでな」
試合は一時中断して10分後改めて試合をする事になった。
「ダメだ!!こんな体で試合に出たら高校に響く!!」
監督の怒鳴る。
「監督…ちょっと耳かしてくれ」
すると亮助と監督は静かに話始めた。
何を言っているのかはわからない。
けど…
「………わかった……。おい、鳴美。亮助の手当てをしてくれ」
「えっ、でも…」
「いいから早く!!」
ビクッ!!
監督の怒鳴り声で私は渋々手当てをし始めた。
「亮助…」
「んだよ。そんな辛気くせぇ顔して」
笑いながら亮助が言った。
「無茶しないでね?」
けど亮助の返事は返ってこない。
「ねぇ!!亮助!!」
最初のコメントを投稿しよう!