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私も唖然としていた。
あんな亮助見た事ない。
いつも笑顔で楽しそうにプレイしていた亮助の面影が少しもなかった。
ただ苦しそうに悲しそうにプレイをしているのにいつも以上の実力が出ていた。
「監督…」
「アイツのバスケット人生はここで終わりだ…高校の話もなくなる」
「で、でもあんなに…」
「最後の悪あがきみたいなものだ。アイツ自身もうバスケットができないのも気が付いている。持って後3分のバスケット人生だろう…」
「選手生命…」
「あぁ、頭を強く打ったせいで今みたいな超人的なプレイをしているがそれも一時的なもの…明日になりゃアイツはもう激しい運動はできないと思う」
「そっ、そんな…」
私は涙を流した。
だけど少しの涙だった。
だって今、亮助が一番泣きたいと思うから。
私は亮助が泣いてから泣く事にする。
だから今は頑張っている亮助をしっかり目に焼き付けていよう。
残り3分のバスケット人生を…
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