74人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
何でだ?
何でこうなった?
目の前で俺を悲しそうに笑って見つめる俺の恋人。
「…違うの。」
違うの。
さっきからこの言葉を何度も聞いている。
事実に頭が追い付かなくて、体が震えだすのがわかる。
「……祥ちゃん。」
彼が俺を呼ぶ。
「…あなたが知ってる"花寿"はもういないの。」
でも目の前にいるのはあきらかに花寿以外の何者でもない。
「俺はもう1人の花寿…。」
「……え?」
「あなたに会うためにこの世界に潜り込んだ偽物の花寿。」
ちょっと待てよ…。
「"花寿"はもういない…。」
意味わかんねぇよ…。
「"花寿"は…俺が殺した。」
俺はただ彼を見つめるしかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!