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何でだ? 何でこうなった? 目の前で俺を悲しそうに笑って見つめる俺の恋人。 「…違うの。」 違うの。 さっきからこの言葉を何度も聞いている。 事実に頭が追い付かなくて、体が震えだすのがわかる。 「……祥ちゃん。」 彼が俺を呼ぶ。 「…あなたが知ってる"花寿"はもういないの。」 でも目の前にいるのはあきらかに花寿以外の何者でもない。 「俺はもう1人の花寿…。」 「……え?」 「あなたに会うためにこの世界に潜り込んだ偽物の花寿。」 ちょっと待てよ…。 「"花寿"はもういない…。」 意味わかんねぇよ…。 「"花寿"は…俺が殺した。」 俺はただ彼を見つめるしかなかった。
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