序章 桜野の山で

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この国では,15になると婚約できる。 わざわざ他国からセナを嫁にしたいと言ってきた皇子もいた。 セナは,この国の民から好かれている。 だからこそ,半分政略目的の皇子となんかじゃなく,この国で本当に愛してくれる婿をとりいれたい……身分なんて関係ない。 セナの願いは,とにかくそれだけだった。 認めたくないが,この国には身分差別がある。 部落民―‥色々な事情で昔から差別されていた人々… この国の華幻族の人達だけは唯一セナを嫌う。 セナが産まれてきた時から,差別はあった。 セナは…必死で身分差別を辞めたいと言った。 わずか13歳で60代の人々と会議を行ったのだ。 しかし…… ‥差別は続いている。今は自分の婚約どころではない。 これは,セナ自身が自分の心に言い聞かせている言葉だった。
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