【第十四章】クレイア

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キーンコーンカーンコーン 授業終了のチャイムの音。 恭司はゆっくり覚醒した。 机が固くて快眠とはいかなかったが、それなりに体力は回復してそうだ。 恭司はゆっくりと体を起き上がらせる。 次は昼休みだ。 昼食をどうするかなど、とりあえずユウカを起こして色々と聞かなければならない。 そう思って、体と共に顔を上げた所でのことだった。 「なっ!?」 ククルがいた。 ククルは恭司の机の目の前にしゃがみ込んで、恭司の顔をずっと見ていた。 可愛らしい女の子がやっていたのならまだ好感の持てるラブコメ展開だが、前髪をダラリと垂れ流した女がハアハアと息を漏らしているその姿は、どう贔屓目に見てもホラーだ。 しかも、 今はチャイムが鳴って授業が終わったばかり。 どう考えてもおかしい。 恭司は率直に尋ねかけた。 「何をしているんだ?」 「貴方様のお顔を拝見させていただいておりました」 それは見れば分かる。 だが、 いくら眠っていたとはいえ、あの恭司がここまで近づいた人の気配を見逃すなどあり得ない。 何かカラクリがあるのか、恭司は警戒心を強めた。
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