プロローグ

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彼がマティス家に養子になってからも少年は全く笑わなかった。 しかし、マティス家には一つ下の少年がいた。 名はジュード・マティス。 ジュードは笑わない少年にも、屈することなく笑顔で接してきた。 少年は初めこそうっとおうしく思ってはいたが、彼の純粋な心に折れ、ジュードの前だけは笑顔を取り戻しつつあった。 しかし、それもジュードの前だけであって他人もちろん義母や義父の前ではあまり笑わなかった。 全くというわけではないが。 それゆえ、少年の評判は悪く近所の子供たちとは不仲だった。 不仲というのも、関わりがなかったわけではなく、昔からジュードは近所の子供たちにいじめられて家にぼろぼろになって帰ってきたときに、少年の中で何かが切れ、いじめていた子供を逆にぼろぼろにしたことが何回もあり近所の子供とは不仲、周りの大人たちには嫌がられていた。 少年はあまり笑わないいままそれから数年がたち、ジュードが医者になりたいというのを聞き、自分も医療の仕事に就きたいと思い、薬剤師になろうと決心し、すぐにマティス家を出ていきイル・ファンへと向かった。 そこで少年は、今までの知識よりもかなりの知識を手に入れていた。 そうして、イル・ファンの学校を1番で卒業し、無愛想だが腕は確かな薬屋さんの称号を手に入れたのであった。 薬屋(病院内だが)をやり始めて数か月たち、少年は少女と出会い、笑顔をかなり取り戻すことになる。 それから数か月、彼…アウフ・マティスはある実験に手を貸すことになる。
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