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そして、女性は立ち去ろうとした。
……。これはやばい。
そんな考えがアウフの中に出てきた。
自分はマナの消費が激しくまともにここから出られない。
そして、ジュードの力ではこのカプセルは割れないであろう…。
よって頼みはこの女性なのだが、その助けの女神がいま去ろうとしている。
何とかして呼び止めなければ、自分は消えるだろう。
「お~い、助けてください。」
素直に言ってみた。
正直気づくかわかんない。
運悪く女性には気づかれなかったが、ジュードには気づいてもらえた。
「えっ!
アウフ!?
どうしてこんなところに!?」
ジュードは心底驚いた顔をしていた。
そんなジュードに微笑みかけ、アウフはとりあえず女性にここから出してもらえるようにジュードに頼んでもらえるように言った。
「ね、ねえ、待って。
ここに、僕の兄がいて……。
僕の力だけじゃ助けられなくて……。
その……、助けてくれないかな……?
それに……当てがないんだ。教授が一緒なら、ここから出られたかもしれないけど
僕も行っていい?」
ジュードが女性を見る。
「ふふっ、なるほど、たしかに。
それならば次も助かるだろう。君は面白いな」
女性は笑いながらジュードと向き合う。
そして、ジュードは一歩前に出て自己紹介を始める。
「ジュード・マティス。
それが僕の名前
君は?」
出された手を握り返しながら女性は答える。
「私はミラ
ミラ=マクスウェルだ
さぁ、ジュード、君のお兄さんを助けよう!」
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