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「…ッ? 」
薄暗い部屋の中で、男は唐突に目を覚ました。
自らに掛けられた毛布を勢い良く捲り上げ、上半身をゆっくりと起こす。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
体を起こした男は気だるそうに全身を使って、激しく呼吸をすると、枕元に置かれたミネラルウォーターのペットボトルを手に取り、荒々しく口に含む。
そしてそれを喉の奥に流し込むと、ペットボトルを元の場所に戻して、右手で自分の顔を覆った。
「また、あの夢だ…」
男は陰鬱そうに呟く。
これで何度目だろうか、と男は考えた。
いや、考えても意味がない。
今まで何回も見たのだから。
男の脳裏に、夢で見た光景と聴いた声が響き渡る。
「クソ… 一体なんだってんだよ」
男は呻くように言うと、ベッドから抜け出して、壁に掛けられた自分の制服の内ポケットから愛用のタバコを取り出すと、そのまま部屋の外へ出て行った。
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