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中隊長のデスクから少しだけ離れた、入り口に近い所に須藤のデスクはある。
須藤は手荷物をデスクの上に置き、座席に座ると鞄から薄っぺらな硝子のような板を取り出した。
その板に自分の右手を翳すと、画面に光が灯る。
これは超薄型のコンピューターで、一見、何の変哲もない、ただの硝子だがコンピューターとしての機能が全て備わっている。
彼はそんなハイテクな品を巧みに操作し、あるデータを開いた。
内容は何やら部隊の演習について書かれており、須藤はそれをしっかりチェックしていく。
そして必要に応じて、コンピューターにキーボードがあるかのように、文字をタイピングする。
今日の須藤の仕事は近々行われる大規模演習の打ち合わせについての資料作成だった。
仕事にのめり込む内に、彼の隣のデスクや前には知らぬ間に同僚たちが着席していて、各々の作業を行なっている。
そして時刻は午前8時を指そうとした時だ。
ラッパの音が辺り響いた。
するとその場にいた全員が同じ方向を向き、頭を下げた。
これは国旗の掲揚の際には必ず行われる行事で国旗を下げる際も同様に行われる。
それらが全て終了するとまるで何も無かったかのように各自仕事を再開させた。
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