日常

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午前中は主にデスクワークに徹した。 なにせ、打ち合わせやその他諸々の会議での資料の作成が山ほどある。 今のうちに始末しておかないと、明日に影響が出る可能性があるのだ。 今日は金曜日。 なので、土曜日である明日は非番で久々の休みなのだ。 こんな雑務と向き合いたくない。 そんな考えを持ちながら、須藤は一心不乱にキラキラと輝く端末の操作に没頭した。 それから少し時間が経過した。 須藤は座ったまま、大きく伸びをすると壁に掛けられた時計に目をやった。 二つの針はどちらも12を指している。 須藤の周りの者は皆おもむろに席を立ち始めていた。 そんな彼らの様子を伺い、須藤もゆっくりと席を立とうとした時に、前に座る士官から声を掛けられた。 「須藤、飯行こうぜ」 須藤に話しかけた士官は階級章からして、中尉であった。 「あ、はい。喜んで」 須藤は慌てて席を立つと、先を行く上官の後を追いかけた。 須藤が中尉に追いついた時点で、二人は横に並び、本部から食堂のある建物に向かう。 そんな彼らの頭上を一機のF-35J ライトニングⅡが轟音を鳴り響かせ、パスして行った。 須藤はF-35Jが無事に滑走路に着陸する姿を見つめていると、横を歩く中尉が口を開いた。 「平和、だな」 何の前触れも無く、発されたその言葉に須藤は少し驚きながらも、返答をする。 「えぇ、しかし仮初めの平和ですがね」 「そうだな…」 中尉は自嘲気味に笑う。 そんな彼の寂しそうな横顔を見つめて、須藤は少し記憶を過去に遡らせた。
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