第1章

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だからばあちゃんの容姿は10歳程度の女の子の若い姿をしているし、傷だってすぐに治る。 ……じいちゃんがロリコンだったのは言わずもがなだ。 いや、じいちゃんがロリコンだった話は置いといて、結論から言うと、かぁさんは人魚と人のハーフってことだ。 だから俺にも人魚の血が四分の一、流れている。 だが何故か俺の場合は年は普通にとるのに、不死ってところだけ受け継いでしまったらしい。 おかげ様で俺は世間じゃ化け物扱いだ。 自殺しようにもすぐに傷が治ってしまう……。 …俺が死にたがりな理由が分かった? 俺はそのまま数十分ほど傷が治るのをまった。 少しくらくらするがちゃんと傷口は塞がったようだ。 エリーナの野郎……朝からドンパチ額やら心臓やらに風穴空けやがって。 しかし悔しいことに、あいつはわざわざ弾丸が貫通するように撃ち込んでくる。 なぜなら、体の中に弾丸が残っているのと貫通しているのとでは、生存確率が大きく違うからだ。 不死身の俺にもそれをしてくるのだから流石としか言いようがない。 クソ……忌々しいぜ。 流石は二つ名持ちといったところか、銃の扱いに関しては軽く三年生をも凌駕している。 全く……もし弾丸が体内に残って傷が治ったりでもしたら、飛行機に乗れなくなってしまうではないか。 俺はそのままのびている訳にもいかず、重たい体に鞭を打ち、服に付いた砂を払いながら立ち上がった。 「…制服に穴空いちまったよ」 あいつ、いつもは額にしか撃ち込んでこないくせに、今日に限って心臓まで狙って来やがった。 おかげで左胸と背中に穴が綺麗に空いており、左胸からは乳首がこんにちはをしている。 こんな格好じゃ授業は受けれそうもない。 「はぁ……事務室行って新しい制服もらってくるか」 あぁ、これで完全に遅刻が確定だ。 あぁ、死にてぇ…。
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