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結局俺は、朝から血まみれになるという毎日発生する強制イベントから逃れられることもできず、トボトボと玄関横にある事務室へと向かうのであった。
☆
「すみません、遅刻しました~」
俺の所属する一年A組のドアを開ける。
入学してまだ二週間しか経っていないのに遅刻をしてしまうとは、また周りからの不良イメージを定着させてしまった…。
「遅刻するとはずいぶんと良いご身分ですなぁ」
早速クラスの奴らからヤジが飛んで来やがった。
「流石は不良、入学して二週間でグレるとはねぇ」
それにしてもなんて物言いだろう。
いくら同級生とはいえ言い過ぎにも程がある。
俺は自前のつり上がった目で教壇に立っている男を睨みつけた。
男の背は俺より高く、だいたい180センチ強くらい。やや細身ではあるが華奢なわけではなく、むしろ野球選手やボクサーをイメージさせるような細さを感じる。
視線をもう少し上げると、現れたのは俺にも負けず劣らない意志の強そうな目をしたライオンのように野性味溢れた顔があり、それはまさにワイルド系なイケメンだった。
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